
2023年7月にユニバーサルアナリティクス(UA)のサポートが終了し、Googleアナリティクス4(GA4)への移行が本格的に進んでいます。これまでUAを使い慣れていた多くのマーケターにとって、GA4の新しいインターフェースや考え方に戸惑いを感じているかもしれません。
特にGA4では「イベントベース」のデータ収集が主軸となり、それに紐づく「パラメータ」の設定がより重要となっています。本記事では、GA4を効果的に活用するために押さえておくべき重要なパラメータについて、日本国内の企業やマーケターの視点を交えて、わかりやすく解説していきます。
GA4とは?イベントドリブンのアプローチ
GA4は、Googleが提供する次世代のアクセス解析ツールです。従来のUAと大きく異なる点は、すべてのユーザーアクションが「イベント」として記録される点です。このため、ページビュー、スクロール、クリック、動画の再生など、ユーザーが行うあらゆる行動が「イベント」に変換され、より柔軟かつ詳細な分析が可能になっています。
パラメータの役割とは?
GA4のイベントには最大25個のパラメータを付加することができます。これらのパラメータは、イベントが発生した状況や詳細を説明する追加情報であり、以下のような情報を含むことができます:
- クリックされたボタンのラベル
- 購入された商品のカテゴリー
- 検索キーワード
- コンテンツのIDやタイトル
つまり、パラメータを正しく設計・実装することで、ユーザー行動の「背景」や「意図」をより深く理解することができるのです。
GA4における主な標準パラメータ一覧
GA4では、Googleが事前に定義した「標準パラメータ」と、自由に設定できる「カスタムパラメータ」が存在します。まずは、代表的な標準パラメータを見てみましょう。
パラメータ名 | 説明 |
---|---|
page_location | ページのURL。ページビューイベントに自動で付与される。 |
page_referrer | 直前のページのURL。リファラの情報。 |
screen_name | アプリの画面名。モバイルアプリ計測時に使用。 |
item_id | 商品ID。ECサイトの購入イベントなどで使用。 |
item_name | 商品名。購入や表示イベントで利用。 |
search_term | 検索キーワード。view_search_results イベントに関連。 |
content_type | コンテンツのタイプ(例:記事、動画など)。 |
method | ユーザーアクションの手法(例:GET, POSTなど)。 |
これらは自動でトラッキングされるものもありますが、多くはGTM(Googleタグマネージャー)や直接のコード実装によって設定する必要があります。
注目すべきカスタムパラメータとその活用例
カスタムパラメータは、各企業やサイトの目的に応じて柔軟に設計できます。以下に、日本のECサイトやメディアでよく使われるカスタムパラメータの例を紹介します。
1. user_type
(ユーザー種別)
- 例:visitor(未登録者), member(会員), premium(有料会員)
- 活用法:コンバージョン率の比較やユーザー行動の違いを分析可能
2. content_category
(コンテンツカテゴリ)
- 例:sports, politics, technology
- 活用法:コンテンツごとの閲覧傾向や滞在時間を分析し、戦略を最適化
3. campaign_id
(キャンペーンID)
- 例:summer_sale_2025
- 活用法:特定キャンペーンの成果測定。広告ごとの効果比較に有効
4. author_name
(著者名)
- メディアサイトでの記事単位のパフォーマンス比較に活用
5. membership_level
- 例:free, silver, gold
- サブスクリプション型サービスでの行動分析に適しており、アップセル戦略に有効
パラメータ設計で重要なポイント
1. 一貫性のある命名規則
例:userType
と user_type
のような違いがあると、分析時に集計が分断されてしまいます。英語の小文字+アンダースコア(snake_case)で統一するのがおすすめです。
2. 目的に沿ったデータ収集
「何を分析したいのか」「どのような意思決定に使うのか」を明確にした上で、必要なパラメータだけを設定しましょう。過剰なパラメータ設定は逆に集計・分析の障害になります。
3. BigQueryとの連携を前提に設計
GA4の真価はBigQueryとの連携にあります。データをエクスポートしてSQLで自由に分析できるため、パラメータ設計時にはその後の分析ロジックも意識しておきましょう。
GTMでのパラメータ設定例
ここでは、Googleタグマネージャーを使ってクリックイベントにパラメータを付与する設定例を紹介します。
ステップ1:クリックトリガーを作成
- トリガータイプ:要素クリック
- 条件:クリックテキストやCSSセレクタを指定
ステップ2:イベントタグを作成
- タグタイプ:GA4イベント
- イベント名:cta_click
- パラメータ: button_text = {{Click Text}} page_title = {{Page Title}}
ステップ3:プレビュー&デバッグ
GTMのプレビューモードで、イベントとパラメータが正しく送信されているか確認します。
日本企業でのGA4パラメータ活用事例
ECサイトA社(アパレル系)
目的:会員と非会員の購入率を比較し、販促メールの改善に活かす
実装したカスタムパラメータ:
- user_type
- membership_level
- coupon_used
成果:
- 有料会員は通常会員の2.3倍のコンバージョン率
- 無料会員向けに限定クーポンを発行し、CVRが1.5倍に上昇
メディアB社(ニュースサイト)
目的:記事カテゴリごとの滞在時間とエンゲージメントの可視化
実装したパラメータ:
- content_category
- author_name
成果:
- スポーツ記事は政治記事よりも滞在時間が20%長い
- 人気の著者による記事はSNSシェア数が2倍以上
よくある失敗と注意点
1. 不要なパラメータを乱立させる
意味のないパラメータや一貫性のない命名は、データの整理を困難にします。
2. 収集しただけで活用されていない
データを取って満足してしまい、レポートや改善施策に反映されていないケースが多く見られます。
3. コンセント(同意)管理が不十分
日本でも改正個人情報保護法が施行され、パラメータの収集にはCookie同意管理が必須です。
料金に関する補足:BigQueryの費用
GA4は無料で使えますが、BigQueryと連携したデータエクスポートには料金が発生します。
- ストレージ:約JPY 2.7/GB(月額)
- クエリ:約JPY 6.5/GB(クエリ処理時)
日本の中小企業でも、月数千円〜1万円程度で実用レベルの分析が可能です。ただし、データ量やクエリ頻度によってはコストが増大するため注意が必要です。
GA4のパラメータを制する者がデータマーケを制す
GA4では、パラメータの設計と運用がこれまで以上に重要な意味を持ちます。正しく設計されたパラメータは、ユーザー行動の「なぜ」を紐解き、データドリブンな意思決定を支援します。
日本国内でも、GA4を活用した精度の高いマーケティング分析はすでに始まっており、特にECサイトやメディア業界ではカスタムパラメータを駆使した成功事例が続々と登場しています。
次のステップとしては、まず「自社にとって何を知るべきか」「どのように意思決定に使うか」を明確にし、それに合ったパラメータ設計から始めましょう。そして、可能であればBigQueryとの連携によって、より深い分析へと発展させることがGA4成功の鍵となるでしょう。
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