CDN（コンテンツ・デリバリー・ネットワーク）は、DDoS攻撃の緩和とウェブサイトのパフォーマンス向上に効果的に寄与します。
まず、DDoS攻撃緩和の面では、CDNはグローバルに分散された多数のサーバーネットワークを活用し、攻撃トラフィックをネットワークのエッジ（利用者に近い地点）で吸収・遮断します。これにより、オリジンサーバー（元のウェブサーバー）への負荷を大幅に軽減し、レイヤー3・4のネットワークレベルの攻撃を瞬時に緩和可能です。CDNはクラウドベースのプロキシとして機能し、攻撃トラフィックをリアルタイムでスクラビング（悪意あるトラフィックの除去）し、正当なリクエストのみを通過させるため、サービスの中断を防ぎます。
パフォーマンス向上の面では、CDNは世界中のエッジサーバーにコンテンツをキャッシュし、ユーザーの地理的に近いサーバーから高速にコンテンツを配信します。これにより、ウェブサイトのロード時間が短縮され、ユーザー体験が向上します。また、CDNは帯域幅の削減や冗長性の向上も実現し、大量トラフィックやハードウェア障害に強い構成を提供します。
ただし、CDNによるDDoS緩和は非常に効果的ですが、CDN自体の通信容量には限界があり、極めて大規模な攻撃に対しては単独では完全な防御とは言えません。そのため、CDNはWAF（ウェブアプリケーションファイアウォール）や侵入防止システムなど他のセキュリティ対策と組み合わせて利用されることが推奨されます。
まとめ
| 項目 | CDNの役割・効果 |
|---|---|
| DDoS攻撃緩和 | - 分散アーキテクチャで攻撃トラフィックを分散・吸収- ネットワークエッジでリアルタイムに悪意あるトラフィックを除去- オリジンサーバーの負荷軽減 |
| パフォーマンス向上 | - ユーザーに近いエッジサーバーから高速配信- ロード時間短縮とユーザー体験向上- 帯域幅コスト削減と冗長性向上 |
| 注意点 | - CDNの通信容量には限界がある- 他のセキュリティツールとの併用が望ましい |
このように、CDNはDDoS攻撃の緩和とウェブサイトの高速化において重要な役割を果たし、現代のウェブ運営において不可欠なインフラの一つとなっています。
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