RAID 10とRAID 1の選択基準は、主に求めるパフォーマンス（速度）と冗長性（耐障害性）のバランスにあります。
- RAID 1は「ミラーリング」と呼ばれ、2台のディスクに同じデータをコピーすることで高い冗長性を確保します。1台のディスクが故障してもデータは失われず、復旧が容易です。ただし、速度は単一ディスクの読み書き速度に近く、書き込み速度はミラーリングのため若干低下します。容量はディスクの半分しか使えません。
- RAID 10はRAID 1（ミラーリング）とRAID 0（ストライピング）を組み合わせた構成で、最低4台のディスクが必要です。ミラーリングで冗長性を確保しつつ、ストライピングで読み書きの高速化を実現します。RAID 1の安全性とRAID 0のパフォーマンスを両立し、複数台のディスク故障にも耐えられる設計です。ただし、容量は総ディスク容量の半分となります。
ビジネス環境への適合性の観点からは以下のように選択されます。
| 項目 | RAID 1 | RAID 10 |
|---|---|---|
| 必要ディスク数 | 2台 | 4台以上 |
| 冗長性 | 高い（1台故障まで耐える） | 非常に高い（複数台故障に耐える場合も） |
| パフォーマンス | 読み込みは高速、書き込みは単一ディスク並み | 読み書きともに高速 |
| 容量効率 | 50%（ミラーリングのため） | 50%（ミラーリング＋ストライピング） |
| 適用例 | 小規模サーバー、重要データの単純保護 | 高負荷のデータベース、トランザクション処理、ミッションクリティカルな環境 |
まとめると、
- コストやディスク数を抑えつつ高い冗長性を求める場合はRAID 1が適しています。
- 高いパフォーマンスと耐障害性の両立が必要なビジネスクリティカルな環境ではRAID 10が推奨されます。
RAID 10はRAID 1の安全性に加え、RAID 0の高速性を活かせるため、データベースや大規模なファイルサーバーなどで多く採用されています。
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