RAID構成選択時に考慮すべき業務要件と技術レベル

RAID構成選択時には、業務要件として「耐障害性」「パフォーマンス（高速化）」「容量効率」を明確にし、技術レベルとしてはRAIDの特徴や最低必要HDD台数、運用・管理の難易度を考慮する必要があります。

具体的には以下のポイントが重要です。

• 耐障害性
  重要なデータを扱う場合は、障害発生時のデータ保護能力が高いRAIDレベルを選択します。例えば、RAID 1は2台のHDDでミラーリングし高い耐障害性を持ち、RAID 5は1台故障まで耐えられ、RAID 6は2台故障まで耐えられます。RAID 10（RAID 1+0）はミラーリングとストライピングを組み合わせて高い耐障害性と高速性を両立します。

• パフォーマンス（高速化）
  高速な読み書きが求められる業務では、RAID 0（ストライピング）やRAID 10が適しています。ただしRAID 0は耐障害性がないため、用途を限定する必要があります。

• 容量効率とコスト
  RAID 5は容量効率が良く、最低3台のHDDで構成可能なためコストパフォーマンスに優れます。RAID 6はさらに耐障害性を高めますが、HDD台数が4台以上必要です。RAID 10は高速かつ耐障害性が高い反面、HDDの使用効率は低めです。

• 最低必要HDD台数
  RAIDレベルごとに必要なHDD台数が異なり、導入コストや拡張性に影響します。例：RAID 0・1は2台、RAID 5は3台、RAID 6は4台以上、RAID 10は4台以上。

• 技術レベル・運用管理
  RAIDの構成変更や障害対応には一定の技術知識が必要です。RAID 5や6はパリティ計算があるため再構築に時間がかかり、運用負荷が高い場合があります。RAID 10は構成が比較的単純で再構築も速い傾向です。

• 業務要件との整合性
  ミッションクリティカルなシステムやデータベースでは高い耐障害性とパフォーマンスが求められ、RAID 10が推奨されます。コスト重視で容量効率を優先する場合はRAID 5が適しています。

以上を踏まえ、RAID構成選択時は以下のように整理すると良いでしょう。

このように、業務の重要度・性能要件・コスト・運用技術レベルのバランスを考慮してRAIDレベルを選択することが重要です。