Googleサーチコンソールとアナリティクスを活用したデータ分析

Googleサーチコンソール（GSC）とGoogleアナリティクス4（GA4）は、それぞれ異なるデータを収集するツールです。これら2つのツールを連携させることで、検索エンジン経由のユーザー行動をより包括的に分析できます。

各ツールが提供するデータの違い

Googleサーチコンソールは、Google検索の検索結果におけるウェブサイトのパフォーマンスに関するデータを提供します。具体的には、検索結果にサイトが表示された回数（インプレッション数）、ユーザーがGoogle検索でのクリックからサイトにアクセスした回数（クリック数）、サイトへのアクセスにつながった検索キーワード（検索語句）などが得られます。さらに、他サイトからのリンク状況や検索上でサイトが抱えている問題点も確認できます。

Googleアナリティクスは、サイトへの流入（検索以外も含む）、セッション・PVなどのアクセスデータ、CVデータ、サイト内のユーザー行動といった、自社サイト内のパフォーマンスとユーザー行動を収集しています。

連携のメリット

両ツールを連携させることで、ランディングページと検索キーワードを組み合わせた分析が可能になります。GA4のレポート画面から、サーチコンソールのデータを直接閲覧できるようになり、別々にレポート画面を確認する手間が削減されます。

GA4で確認できるサーチコンソールのデータは、ランディングページ・国・デバイス・検索クエリの4種類です。特に検索クエリのレポートでは、ユーザーがサイトを訪れる直前に検索したキーワードのクリック数・表示回数・クリック率・平均掲載順位がわかります。

連携の設定方法

GA4とサーチコンソールの連携は、GA4の「設定」から「Search Consoleのリンク」を選択し、リンク先のサーチコンソールアカウントを選択することで完了します。

実践的な分析方法

CTR改善による検索順位向上

表示回数が1,000回以上でありながらCTRが3%未満のキーワードを抽出し、そのキーワードで実際に検索して競合のタイトルを分析します。その後、より魅力的なタイトルに変更することでCTR向上を図ります。

コンテンツ強化による順位改善

検索順位が3～10位のキーワードを全て抽出し、上位1～2位のサイトを徹底分析します。不足している情報や古い情報を特定した上で、より詳細で最新の情報でコンテンツを強化することで、検索順位の向上を目指します。

シーズナルキーワードの先制対応

過去12ヶ月のデータを月別で分析し、特定の月で検索量が急増するキーワードを抽出します。その2ヶ月前からコンテンツ準備・投稿を開始することで、シーズン到来と同時に検索上位を独占できます。

購買関連キーワードの発見

検索クエリを「購入」「おすすめ」「比較」などの購買関連語句でフィルタリングし、表示回数50～500回の範囲で競合性の低いキーワードを特定します。これらのキーワードに対して専用ランディングページを作成することで、コンバージョン獲得につなげられます。

BigQueryを活用した高度な分析

BigQueryにGA4とサーチコンソールのデータを連携することで、より詳細な分析が可能になります。ページ単位での集計結果とGSC由来のキーワードデータを組み合わせることで、検索エンジン経由での流入が多い/少ないページと、そのページのコンバージョンやCVRの関係を分析できます。

ダッシュボードの活用

Looker Studioを使用して、サーチコンソールとGA4から得られる指標をモニタリングし、データを視覚化することも効果的です。ダッシュボードでは国やデバイスのカテゴリを包含・除外したり、表示期間を調整したりできます。